あけましておめでとうございます。これを一面が雪で真白になった京都東山を見ながら書いています。2011年を迎え、今年から大きくその舵取りをしていくパンゲア号の上で気持ちを新たに邁進していきます。
この一年の初めにとてもうれしい報告があります。
ここ2年ぐらいの間にお会いしている方には必ず話していたとおもうのですが、YMCモデル(Youth Mediated Communication Model)という開発途上国支援としてコミュニティに届けたい様々な情報をICTを用い子ども達を媒体に届けるというモデルを思い立ち、2年前にAPANという国際会議でそれを発表しました。これをなんとか実証できないかとこの1年半、このモデルに興味を持ってくれる方々を見つけ、チームができました。そのチームが総務省事業「ICT重点3分野途上国向けモデル事業(ユビキタス・アライアンス・プロジェクト)」の一環としてベトナムのメコン河流域にてベトナムの農水省にあたる部門と協力しながら実施することになりました。NTTコミュニケーションズ(株)と(財)ハイパーネットワーク社会研究所が取りまとめてくださり、今回は農業分野で稲作支援に絞ることになりました。農業チームにはJICA専門家としてもアジア・アフリカで稲作指導されている東京農業大学の池田先生やアジア農業+ICTの分野を牽引されている東大の二宮先生やALFAE会長の亀岡先生、そしてコンテンツ部分でご協力してくださっているのは中央農研の竹崎さんというすごいチームです。これらエキスパートがメコンの子ども達で親が読み書きできない農民が多い地区で農業サポートできる情報を地元のセンターにインターネットを通し届けます。これらの間をつなぐのが、パンゲアが5年間使い続けてきた「言語グリッド」です。そして子ども達が家で親に伝えるアナログ部分をつないでいくのがパンゲアの役目となります。参加してくれる子ども達にとっては初めてのPC・インターネット体験です。ワークショップなど楽しみながら参加できるプログラムを作成していきます。これまで8年間実施してきた500回近いアクティビティで、異言語下においての運営方法、児童にとって楽しめるコンテンツの作り方、画面の作り方などが我々の筋肉になりました。
なぜ、農業?と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ここ数年、ア
ジアの様々な国を訪れる機会に恵まれ、マレーシアのボルネオジャングル奥地で活動
を開始し、益々、子ども達の持つすばらしい力と可能性が多くの問題(貧困など)を
解決してくれる糸口になると確信しました。これらの児童達は数年すればすでに農村
部では大人として仕事をし始めるのです。
というわけでつい興奮していっぱい書いてしまいましたが、今後このプロジェクトの
進捗などもHPでお知らせしますね。
お楽しみに!
今月の
パンゲアリングは、Viewpoints Research Institute代表のKim Roseさんです。
パンゲア立ち上げ当初からの良きサポーターのお一人です。
森 由美子